「九月、東京の路上で」加藤 直樹 [本]
Twitterでレビューが流れてきて即購入。
…お若い方、もしや永井豪先生の「デビルマン」(テレビアニメじゃなくて、漫画のほうね)をお読みになったことのない人も多いのかと思いますが、あの名作は全人類修復してほしい。
私はある程度大人になってから読みましたが、子ども時代にあれを読んでいたら一生もののトラウマになると思う。
「九月、東京の路上で」は、1923年関東大震災における朝鮮人虐殺の証言集です。
これがもうルワンダ内戦と並ぶ「リアルデビルマン」で…
20世紀の日本の首都でこんな惨劇があったなんて。
関東大震災の時、「朝鮮人が井戸の毒を入れた」というデマが流れ、混乱のままそのデマを信じた一部の人たちが朝鮮人に危害を加えた…知識としてはぼんやりと「そういうことがあった」のは知っていましたが、市井の人の証言の数々は重みが違う。
当時の子どもたちが描いた絵も多数掲載されていて、これがまた拙いぶんリアルで…
東日本大震災の時に、また「そういうこと」が起こるのではないかと言われていて、その時は「21世紀の日本でそんな馬鹿な」と思ったけど、「そういうこと」はいつどこででも起こり得るんだ。
30年前のルワンダで、100年前の日本で、驚くほど同じなりゆきでごく普通の民間人が虐殺に加担し、それを誰にも止められない。
プロパガンダと差別と煽動で少しずつ育った種が、何かの拍子にポンと破裂して飛散するように虐殺が始まり、昨日までの隣人がナタで襲ってくる。
21世紀の日本で同じことが起こらないなんて誰に言えるだろう?
殺されるのも殺すのも自分かもしれない。
あの牧村美樹ちゃんの首を切り落とした「近所の人」みたいに。
・
小池百合子は都知事就任翌年の2017年以降、関東大震災朝鮮人虐殺追悼式典への追悼文を拒否しています。あの石原慎太郎さえ送っていたというのに百合子…
私世代が子どもの頃は少女漫画誌に当たり前のように戦争マンガが掲載されていた時代で、私たちはそれを読んで「戦争」を学びました。
学ぶこと、知ること、語ることが「当たり前」だったし、それを否定する人は少なくとも私の周りにはいなかった。
それが、ここ最近になってそういう体験や記録を「嘘だ」「捏造だ」「ソースを示せ」と否定する層がどんどん増えてきてるのは恐ろしいことです。
当時の新聞や裁判の記録も山ほどあるというのに、東京都知事みたいな人が撒いた種が何年もかけて芽吹いてきたってこと?
歴史を学ぶことをしないなら、私たちはまた同じことを繰り返すよ。
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今の東京でこのクラスの災害が起きたらと思うと恐ろしい。
私はデビルマンやバイオレンスジャックの世界には生きたくないです。
「アウシュビッツのお針子」ルーシー・アドリントン [本]
すごい本だった。
びっしり文字ばかりで360ページ。
改行も余白も少なく、馴染みのない言語での人名と地名が次々出てきて「読み切れるか?」と思ったけれど、面白くてやめられず一気に読んでしまった。翻訳も素晴らしい。
あのアウシュビンツ絶滅収容所の中に、所長ルドルフ・ヘスの妻が作ったファッションサロンがあり、ナチス高官の家族からの注文でドレス作成をしていたというノンフィクション。
収容所の囚人から略奪した資源(古着、靴、宝飾品、布地、なんでも)を使い、囚人であるユダヤ人女性の「お針子」たちが、アウシュビッツでドレスを作っていた?
あまりのシュールさ、グロテスクさに頭がクラクラしてくる。
著者はもともと服飾の専門家。
ナチス政権以前多くのユダヤ人がかかわつていた縫製や繊維の産業がどのようにしてユダヤ人から奪われたか、そして誰がそれを安価で手に入れたか。
強制収容されたユダヤ人の膨大な衣類がどのように「再利用」されたか。
ありとあらゆるあの時代の「服」にまつわるエピソードがぎっしり。こんな切り口があったのか…
服を奪うことは尊厳を奪うこと。服を脱がされ、裸を嘲笑され、次に与えられるのがサイズも合わず汚れて穴の空いた囚人服。
なにを着るかということが、いかにその人のアンデンティティを作っているか…それを知っているからこそナチスは「服」の力を利用したんだろうな。ナチスの軍服がああもカッコいいのは戦略なんだ。
・
ところで今の小学生や中学生、「アウシュビッツ」って知ってるのか…?
私は少女漫画誌にフツーに乗ってた戦争マンガで歴史を学んだ世代なので(学校じゃ近代史は学期の終わりなので駆け足で流すだけだった)、満州とかアウシュビッツも漫画に教えてもらったなあ。
「70年目の告白〜毒とペン〜」 [本]
高階良子先生の自伝長編漫画。
御年76歳とは到底思えないすさまじい描き込みに圧倒される。
噂には聞いていていたけれど、相当な覚悟で読み始めないと気力体力を持っていかれます。
私世代の人は「なかよし」時代の高階作品の洗礼を受けていると思うんですが、初めて読んだのは「黒とかげ」だったなあ。
原作はもちろん江戸川乱歩、殺人ありエロありグロあり、あれを「なかよし」で連載してたのか……。
これも乱歩原作の「血とばらの悪魔」、横溝正史原作の 「血まみれ観音」も面白かった。
忘れちゃいけない「地獄でメスが光る」は鉄壁。
実は「なかよし」以前も何作か読んでます。
両親を殺された少女の復讐劇「タ日の中のサキ」は今ドラマ化してもいいくらいだし、タイトル忘れたけど蝶を愛するあまり美しい人間を標本にしようとする少女の話も好きだった。
ボニータ時代は読んでいないのですがが、青年誌にもレディコミにも行かず、少女誌であれだけ長く巻頭を飾った漫画家って細川智栄子先生と高階良子先生しかいないんじゃなかろうか(秋田書店だからこそ、とも言えるな)。
伏字にはなっているものの、講談社時代のやばい話がバンバン出てくる。
私はコミックス派だったので当時の「なかよし」執筆者ってあまりわからないんですが(いがらし先生だけはわかる)…
・
そして母親の描写がすさまじい。
「墓場までもっていくつもりだった」という母との確執を、自分の体力の衰えを自覚する年齢となって「描くなら今しかない」と吐き出してしまいたくなったんでしょう。
毒親、という概念が一般的になったのはここ数年のことなので、長い長い間ずっと「なぜ」と苦しんできたのだなあ……
描くこと、それが生きなおすこと。
自分の中にいる「子どもの自分」の声を聴くこと。
本当に、漫画に救われ漫画に生かされた天性の「漫画家」なのだと思います。
いや面白かった。
まさか令和になってから高階先生のコミックスを買うなんて思いませんでしたよ…
「我が名はエリザベス」 入江 曜子 [本]
ラストエンペラー愛新覚羅溥儀の妻、婉容皇后の「架空の回想録」というスタイルのノンフィクションノベル。
婉容の一人称で書かれた本とは知らなかったので、捲ってびっくり。
歴史ドキュメンタリーでもあり、小説でもあり。
分厚くてフォントが小さくて読めない漢字がたくさんあって「うわ〜、読み切れるかな?」と思ったんですが、さくさく読めました。
但し読めない漢字は無視したので、とくに人の名前(中国語)が全然覚えられなかった…
・
NHK BSで「中国王朝英雄たちの伝説〜悪女たちの裏切り」という番組をやっていて、悪女の一人として取り上げられたのが溥儀の妻婉容と側室の淑妃(文繍)。
米国人家庭教師から「エリザベス」と呼ばれフランス租界に育った少女婉容が、のちに満州国皇帝となる清朝のラストエンペラー溥儀と結婚したことで辿る数奇な生涯を短くまとめた番組でしたが、もともと満州国時代が大好きなのでとても面白く、婉容について書いた本がないかなーと思って見つけたのが「我が名はエリザベス」です。
もう絶版なので古本で購入しました。
小説仕立てなのですんなり入り込めるとはいえ、歴史の知識がないと相関図が読めないかも。まあ、この時代の歴史に興味にない人はそもそも手に取らないか…
はるか昔に里中満智子先生の「あした輝く」を読んで「満洲」というものの存在をはっきり知って以来、この傀儡国家は私の厨二病の原点になりました。
映画「ラストエンペラー」、溥儀の弟溥傑と結婚した嵯峨 浩の自伝「流転の王妃の昭和史」、李香蘭の自伝、川島芳子のノンフィクション…いろいろ見たり読んだりしたもののパーツを組み合わせると、経緯や相関図への理解が深まって俄然面白い。
婉容について史実の記録はほとんどないらしいのですが、乏しい資料でよくもこれほどの大作を…と感嘆する本でした。
しかも作者は日本人で主人公は実在の人物で中国人なのに、まるで翻訳物の小説を読んでいるような世界観。
序盤の、溥儀との結婚式や初夜の描写あたりは、アニメの「天官賜福」みたい。幻想的で美しくも残酷。あの雰囲気でアニメにしたらいいだろうなあ。
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17歳で結婚、夫はすでに亡き王朝の廃帝しかも同性愛者、阿片中毒になり、日本の傀儡国家に利用され、最期は腐臭のする牢獄で阿片の禁断症状に錯乱しながら亡くなった、というのが通説です。
なんて生涯だろう。
溥儀の「わが半生」も読まねば…
「僕の狂ったフェミ彼女」ミン・ジヒョン [本]
主人公スンジュンは30歳。
それなりの企業に勤めるごく普通のサラリーマン。周りの仲間たちは次々と結婚し、ついに最後の独身男となってしまったスンジュンが時たま思い出すのは、4年前に別れた「彼女」のことだ。
綺麗なロングヘアの可愛い彼女とは、自分の留学がきっかけで「遠距離恋愛に自信がない」という理由で別れを告げられた。とても好きだったのに…
ある夜、スンジュンは、繁華街で「女は子どもを産む機械じゃない!」「妊娠中絶全面合法化!」と拡声器で叫ぶ女性たちのデモに遭遇する。
こんな怖い女たちには近づかないでおこう、と離れようとするが、デモ参加者のひとりが彼を追いかけてくる。
「よ、キム・スンジュン。久しぶりじゃん?」
黒いキャップとマスクを外したその女は、4年前に別れた「彼女」だった。
今も忘れられない「彼女」が、フェミニストとなって「僕」の前に現れたのだ!
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韓国のベストセラー小説の日本語版。
表紙のイラストとデザインがとてもかっこいい。原書よりイカしてる。
フツーの若い男性であるスンジュンの一人称で語られるこの小説、読み進めるうちにむっさイライラすること請け合いです。参った。
スンジュンは日本で言えば九州のような封建的な家庭の長男。一人息子で両親と同居。
ルックスは平均以上、女の子にも優しい、暴力なんてもちろん振るわないし、デートの費用は自分もち、セックスの時はコンドームだってつける。
だが、だかしかし。
男女差別、逆差別、性犯罪、フェミニズム…。
サイトの掲示板で繰り広げられる泥仕合を見ていると、ほんとに頭がおかしいような、男が嫌いすぎていかれたような、こじらせまくった女たちというのが本当にいるみたいだ。何かにつけても「ハンナム、ハンナム(ミソジニスト)」て…。韓国に生まれた男と言うだけでこんなに罵られるとは、一体僕が何をしたって言うんだ?僕は性暴力どころか、女の子に手をあげたこともない。デート代はほとんど僕が出すし、家にもちゃんと送ってあげてる。なのにどうして僕まで一緒に罵られるんだ?なぜ僕まで性犯罪者予備軍扱いされる?
彼女たちの主張に論理はなく、あるのは感情だけだ。権利ばかり主張して、義務を果たそうとしない。差別するなと言うくせに、守ってもらおうとはする。男だって生きづらいのに、こっちは別に何も持ってないのに、しきりに寄越せと言ってくる。ただ駄々をこねているだけじゃないか。
↑これ、一般的な男性の多くはこう思っていると思う。
決して悪い奴じゃないし、もちろん悪気もない。差別する意図もない。見えてる世界が違うだけなんだ。
私の周りにももちろんいます。女性差別の話をしてるのに「女性にはもちろんだけど、男への差別も良くないよね!」とか言っちゃう人。いや、今は女性差別の話をしているんだが?ほんと疲れる。
あるあるすぎる場面の連続で「わーかーるー!!!!」と膝パーカッションしてしまう一冊です。
訳もすごくいい。とくに「彼女」の口調が絶妙に今っぽい。
「フェミ怖いぃ〜」とかニヤニヤしてる男性にも読んでほしいけど、読んでもわかんないだろうね。
そういうとこやぞ。
アルテイシアの熟女入門 男と女、狂っているのはどっち?
「毒親サバイバル」菊池真理子 [本]
発売直後に購入してとっくに読んでいましたが、久しぶりに読んだら初めて読んだ時よりじわじわきた…親っていったいなんなんだろう…
「子どもを愛さない親はいない」なんて言える人は、自分がそう言える環境で育ったことが幸運なのだと気づかないのでしょう。
ツライ。
「こども」と「家庭」をひとつにしないでほしい。
「こども庁」がいつの間にか「こども家庭庁」に変更になっちゃって、反対意見が受け入れられないままスタートしちゃったったけど、じゃあ家庭に居場所のない子どもはどうしたらいいんだろう?
以前どこかで「偉いおっさんたちは実は少子化なんてどうでもよくて、『母親にならない女』が増えることを恐れているのだ」と仰ってる方がいて膝パーカッションしちゃったよね…そりゃそうだ、「母親」がいなくなったら、おっさんたちが大好きな家父長制度が崩壊しちゃうんだもの。
毒親と家父長制って地続きだと思うんだけど。
この国はどこに向かっているのでしょうか…若い世代には申し訳ない気持ちでいっぱいですが、今ならまだ引き返せると思うんだ。
VERY妻になりたかった母の死から学んだこと
『毒親サバイバル』から考える「家族の絆」至上主義の罪。の巻(雨宮処凛)
「生かされて」 イマキュレー・イリバギザ [本]
定期的に本の大量処分をするのですが、その後数年経ってから「あの本、また読みたい…」と思うことが何度かあり、入手できるものは買い直したりしています。
この本もその1冊。
あれ、こんなに厚かったっけ?
ルワンダ内戦の大虐殺(1994年4月7日 – 1994年7月15日)を生き延びた女性の手記です。
まだ30年も経ってない。
ルワンダの内戦は、NHKスペシャル「なぜ隣人を殺したか 〜ルワンダ虐殺と煽動ラジオ放送〜」があまりに衝撃で、その後いろいろ本を読むようになりました。
映画「ホテルルワンダ」も話題になりましたが、この本を読んでから見たのでよく理解できた。
ルワンダの内戦はまさにリアルデビルマン…あの漫画が現実になったらこんな地獄なのかと。条件が揃えば世界のどこででも起こることで、誰でも加害者にも被害者にもなる可能性があるんだな…
・
私はカトリックの不良信者なんですが、一般的な日本人は宗教を持たないので、そういった人から「宗教やってるとなにかいいことあるの?」と、よく言われます(「やってる」って言い方、すげーな)。
宗教を信じている=なにかいいことがある … とでも???
普段神社なんか行かない人がお正月だけは行列を作って初詣に行ってお賽銭を投げるのは「お願いを叶えてもらうため」なんでしょうか。
だから100円より1000円のお賽銭のほうが大きなリターンを期待できると?
ある日空から神様が降りてきて、全てを解決してくれると?
病気が治ったり、受験に成功したり、宝くじが当たったり?
そんなわけないじゃん〜〜!!
神様に祈ったってお願いしたって、災害も戦争も起きるし新型コロナは消えないし病気だって治らない。
ではなぜ祈るのか?
それは「自分を強くするため」なんじゃないかと思ってる。
深い信仰が自分を強くする。
その強くなった自分が、自分を、周りを、救うんじゃないかな。
それを「神様に助けられた」というんじゃないかと思ってます。
自分を救えるのは自分だけなんですよ。
・
この本の著者も、壁の向こうの殺戮者(ついこの前まで仲良かった隣人たち)の怒号を聞きながら、繰り返し繰り返し神に祈っている。
こんなにも酷い内戦を放置している国際社会を恨み、自分を殺そうとする隣人を憎み、もし自分に原爆を落とす力があるならこの国を燃やし尽くしたいと思い、自分の中にあるそういう怒りや憎しみを浄化するために祈り続ける。
…でも、祈る彼女にもう一つの声が囁くんです。
「なんで神様になんか頼むのさ。お前の中にだってあの殺人者たちと同じ憎しみがあるとは思わないか?神に対して、彼らが地獄に堕ちて、炎に焼かれるようにと祈ったんじゃないのか?」
その囁きに負けないためにできることといったらたったひとつ。
「祈ること」
・
この本にはありとあらゆる哲学がぎっしり詰まってます。
中学生くらいに読めばきっと一生の宝になる。
いろんな年代の人に読んでほしい。
父と妹を失った34歳のぼくが、ルワンダ大虐殺を語り続ける意味
「コ・イ・ヌール 美しきダイヤモンドの血塗られた歴史」 [本]
現在イギリスのロンドン塔に展示されている5つの王冠、そのひとつを飾る世界最古のダイヤモンドといわれる「コ・イ・ヌール」。
光の山、と名づけられ西暦1300年代にインドで発見されたこのダイヤモンドが、いったいどうやってイギリス王室の所有になったか、その長い歴史を綴った本です。
いやー面白い。
手塚治虫先生の名作「火の鳥」を思い出しちゃった。
不老不死をもたらす「火の鳥の生き血」は人間の権力と欲望の象徴、いかなる手段を持ってしてもそれを手に入れることこそ覇者の証。
あらゆる時代の権力者がそれをめぐって争い、国を焼いて自ら滅ぶのを、火の鳥はいつも「愚かな…」とか言いながら、はるか天上から眺めてるわけ。
コ・イ・ヌールもまさにそんな感じで、あらゆる時代の人間たちの争いを、その時々で玉座やターバンや冠から眺めていたんだろうな。
コ・イ・ヌールだけじゃなく、世界の有名なダイヤモンドにはいろんな血腥いエピソードが必ず付き纏うもの。中二病を拗らせたオタクにはグッときます。
ちなみにイギリス王室はコ・イ・ヌールだけじゃなく、世界最大のダイヤモンド「カリナン」も所有しております。大英帝国に日の沈むところなし。
有名なダイヤモンドの持ち主を辿ると、世界の歴史を学ぶことができ、オタ心も満たされて一石三鳥。楽しすぎる。
世界中で有名なダイヤモンド/ カリナンダイヤ等 | Forevermark
「多摩川猫物語 それでも猫は生きていく」小西 修 [本]
先日、cakesクリエイターコンテストの優秀賞を受賞した記事が発表されましたが、リアルタイムで読んでその内容にものすごくモヤモヤしたものを感じました。
同じ感想の人が多かったのかいわゆる「炎上案件」になりましたが、その経緯はこちら↓↓の記事をご覧ください。
10年間ホームレス支援をしてきた私が「ホームレス記事炎上」に思うこと
件の受賞作はサイトで読むことができますが、あちこち修正が入ったため最初の印象とはかなり違っています。
修正前、「ホームレス」「ホームレス」と呼び捨てにしていることにまず驚いたよ…いろんな意味で凄かったし、これを選んじゃうcakesさんやばいよ…
・
まあそんなわけで、ふと思いついて、数年前に放送されたNHKのETV特集「ひとりと一匹たち 多摩川 河川敷の物語」を久しぶりに観ました。
NHKホームページより
内容紹介 多摩川の河川敷にはホームレスの人々が数多く暮らす。「実社会」からは姿を消してしまったかのように見られがちな彼らだが、廃品集めなどで懸命に生きている。その彼らが面倒を見る身近な「友」が捨て猫たち。番組は、写真家・小西修とともに多摩川を歩き、ホームレスの人たちと猫との、秋から冬にかけての数か月を取材した。ホームレス襲撃事件、再就職の失敗、慣れ親しんだ猫の死…命の重さを静かに考えさせるドキュメンタリー
これは本当にいい番組で、たまに録画を見返していますが、その度にいろんな感情がドッと出てきてボロボロ泣いてしまう。
教育関係者に教材としてDVDの貸し出しをしているそうなので、子どもたちにも見せてあげて欲しい…
(you tubeにもあったけど、違法アップロードと思われますのでリンクは貼りません)
この番組を見て写真家 小西修さんの本「多摩川猫物語 それでも猫は生きていく」を購入しましたが、番組に出てきた猫たちが写真の中にいてまた涙。
ほっこりした野良猫写真集は山ほどあるけど、現実の野良猫たちの生活はそりゃあ厳しい。
捨てられて、傷つけられて、飢えて、雨に濡れて。
河川敷に捨てられた猫たちに食べ物を与えてくれるのは、家もなく自分だって食うや食わずのホームレスの方々なのだから、いったいこの国はどうなっているんだろう?
高級マンションが立ち並ぶ多摩川沿い、その対岸の草むらに生きるホームレスの人。
そこに捨てられる猫や犬。
懸命に生きる彼らの姿を知って欲しい。
・
この本、今は絶版になっています。
古本なら購入できますが高くなっているので(定価は1800円です)…再販して欲しい…
同じ感想の人が多かったのかいわゆる「炎上案件」になりましたが、その経緯はこちら↓↓の記事をご覧ください。
10年間ホームレス支援をしてきた私が「ホームレス記事炎上」に思うこと
件の受賞作はサイトで読むことができますが、あちこち修正が入ったため最初の印象とはかなり違っています。
修正前、「ホームレス」「ホームレス」と呼び捨てにしていることにまず驚いたよ…いろんな意味で凄かったし、これを選んじゃうcakesさんやばいよ…
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まあそんなわけで、ふと思いついて、数年前に放送されたNHKのETV特集「ひとりと一匹たち 多摩川 河川敷の物語」を久しぶりに観ました。
NHKホームページより
内容紹介 多摩川の河川敷にはホームレスの人々が数多く暮らす。「実社会」からは姿を消してしまったかのように見られがちな彼らだが、廃品集めなどで懸命に生きている。その彼らが面倒を見る身近な「友」が捨て猫たち。番組は、写真家・小西修とともに多摩川を歩き、ホームレスの人たちと猫との、秋から冬にかけての数か月を取材した。ホームレス襲撃事件、再就職の失敗、慣れ親しんだ猫の死…命の重さを静かに考えさせるドキュメンタリー
これは本当にいい番組で、たまに録画を見返していますが、その度にいろんな感情がドッと出てきてボロボロ泣いてしまう。
教育関係者に教材としてDVDの貸し出しをしているそうなので、子どもたちにも見せてあげて欲しい…
(you tubeにもあったけど、違法アップロードと思われますのでリンクは貼りません)
この番組を見て写真家 小西修さんの本「多摩川猫物語 それでも猫は生きていく」を購入しましたが、番組に出てきた猫たちが写真の中にいてまた涙。
ほっこりした野良猫写真集は山ほどあるけど、現実の野良猫たちの生活はそりゃあ厳しい。
捨てられて、傷つけられて、飢えて、雨に濡れて。
河川敷に捨てられた猫たちに食べ物を与えてくれるのは、家もなく自分だって食うや食わずのホームレスの方々なのだから、いったいこの国はどうなっているんだろう?
高級マンションが立ち並ぶ多摩川沿い、その対岸の草むらに生きるホームレスの人。
そこに捨てられる猫や犬。
懸命に生きる彼らの姿を知って欲しい。
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この本、今は絶版になっています。
古本なら購入できますが高くなっているので(定価は1800円です)…再販して欲しい…
「ジュエリーの世界史」山口 遼 [本]
宝石、好きです。ゴールドも大好きです。
とかデカい声で言うのがはばかられますが、好きなんだからしょうがない…
でもちまちま小銭を貯めてささやかに買うのがせいぜい。
お国から給付された10万もこれに消えそう…
もっぱらブランドのWebカタログを見たり、コメ兵的なリユースショップを巡回したりして、「いいなー、いいなー」とか言ってますが、めっちゃ楽しくていつまでも眺めていられる。
ああ、ジュエリーっていいな。
・
先日テレビ放送された「オーシャンズ8」、カルティエのダイヤのネックレスが重要な小道具として使われていますが、あのネックレスはカルティエが1931年にナワナガルのマハラジャからオーダーされたネックレスが原型になっています。
実物は男性用なので映画につかわれたものより大ぶりで、センターピースはなんと136.25ct!
この「ジュエリーの世界史」にはカルティエ、ハリー・ウィンストン、ティファニーの歴史のさわりや、世界の宝石狂の人たちの恐ろしい浪費っぷりなども記されていますが、これが読んでいて本当にワクワクする。
ワシントンポストのオーナーの息子と結婚した金鉱オーナーの娘エヴァリンが、カルティエから購入したホープダイヤモンドを愛犬の首輪にぶら下げてパーティに現れた話とか、そのバカっぷりに胸熱ですな。
ちなみにホープダイヤモンドはその後ハリー・ウィンストンに売却され、ウィンストンの死後は寄贈された博物館に展示されています。
かつては世界中に、個人で国宝級のダイヤモンドを購入する大富豪や、国が傾くほど宝飾品を買い集める王族(ロマノフ王朝とか)が多数いたのか〜。
そういう気の遠くなるほどのお金持ちがカルティエやハリーの顧客だったわけで、もはやこれから100年後に名を残す宝飾ブランドが誕生することはないんでしょうね。
・
文庫版付録として、巻末に「正しい宝石の買い方、教えます」という加筆があるのですが、これが大変面白かったです。
日本の宝飾店は大抵が一族経営であるので、社長がダメな店に良いセールスマンはいない、ダメな社長が集めたジュエリーはダメで、そのダメなジュエリー目当てに集まる客もまたダメなのだ、と。
つまりピンとこない社長と、なんだか嫌だなと思う客がいる店で買い物するのはやめなさいという話。
そしてジュエリーの世界で最も買ってはいけない商品は「赤札商品」。
むしろ気に入ったジュエリーの値引き交渉の駆け引きを楽しみなさいと。
実際に買う場合には、できるだけ良い服装をして、堂々と、にこやかにかつ丁寧に値切ることです。実際にまた買う、買わないは関係なく、またいつでも買いに来ますよ、という態度を示すことです。お店はこれには弱い。間違いなくまた来てねという意味を込めて、オマケをしてくれます。 あなたにいくらお金があっても、ジーパンにコンビニ弁当をぶら下げて、これを買うから負けろと言っても、オマケをしてくれる可能性は低いのです。人は見掛けによらないなどというのは寝言です。人は見掛けで決まるのです。
おや、これはジュエリーだけじゃなく、服屋さんでもレストランでもそうですね。
気が弱いので地元の宝飾店にはなかなか行けないのですが、たまには覗いてみようかな〜
・
ちなみにホープダイヤモンドのカラーはファンシーダーク・グレイッシュブルーですが、私はクッションカットのファンシーイエローが欲しいです(聞いてねえよ)。
ティファニーのソレスト↓↓↓とかいいよね。
こちら↓↓↓はダイヤモンド専門店オシェルさんのルース。
「ダイヤモンド好き集まれ」というサイトの管理人さんでもあり、いろんなカット、カラーが豊富ですごいです。
ダイヤに「さん」をつけるダイヤ愛溢れる店長さん…いつかここでお買い物したいな〜。
でもファンシーカラーはお高いので、カラーよりカラット重視ならライトカラーかな…とか、このルースなら枠はこんなでとか、妄想ショッピングは楽しいな!タダだし(笑)