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「僕の狂ったフェミ彼女」ミン・ジヒョン [本]

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主人公スンジュンは30歳。
それなりの企業に勤めるごく普通のサラリーマン。周りの仲間たちは次々と結婚し、ついに最後の独身男となってしまったスンジュンが時たま思い出すのは、4年前に別れた「彼女」のことだ。
綺麗なロングヘアの可愛い彼女とは、自分の留学がきっかけで「遠距離恋愛に自信がない」という理由で別れを告げられた。とても好きだったのに…

ある夜、スンジュンは、繁華街で「女は子どもを産む機械じゃない!」「妊娠中絶全面合法化!」と拡声器で叫ぶ女性たちのデモに遭遇する。
こんな怖い女たちには近づかないでおこう、と離れようとするが、デモ参加者のひとりが彼を追いかけてくる。

「よ、キム・スンジュン。久しぶりじゃん?」

黒いキャップとマスクを外したその女は、4年前に別れた「彼女」だった。
今も忘れられない「彼女」が、フェミニストとなって「僕」の前に現れたのだ!








韓国のベストセラー小説の日本語版。
表紙のイラストとデザインがとてもかっこいい。原書よりイカしてる。

フツーの若い男性であるスンジュンの一人称で語られるこの小説、読み進めるうちにむっさイライラすること請け合いです。参った。


スンジュンは日本で言えば九州のような封建的な家庭の長男。一人息子で両親と同居。
ルックスは平均以上、女の子にも優しい、暴力なんてもちろん振るわないし、デートの費用は自分もち、セックスの時はコンドームだってつける。

だが、だかしかし。


男女差別、逆差別、性犯罪、フェミニズム…。
サイトの掲示板で繰り広げられる泥仕合を見ていると、ほんとに頭がおかしいような、男が嫌いすぎていかれたような、こじらせまくった女たちというのが本当にいるみたいだ。何かにつけても「ハンナム、ハンナム(ミソジニスト)」て…。韓国に生まれた男と言うだけでこんなに罵られるとは、一体僕が何をしたって言うんだ?僕は性暴力どころか、女の子に手をあげたこともない。デート代はほとんど僕が出すし、家にもちゃんと送ってあげてる。なのにどうして僕まで一緒に罵られるんだ?なぜ僕まで性犯罪者予備軍扱いされる?

彼女たちの主張に論理はなく、あるのは感情だけだ。権利ばかり主張して、義務を果たそうとしない。差別するなと言うくせに、守ってもらおうとはする。男だって生きづらいのに、こっちは別に何も持ってないのに、しきりに寄越せと言ってくる。ただ駄々をこねているだけじゃないか。


↑これ、一般的な男性の多くはこう思っていると思う。
決して悪い奴じゃないし、もちろん悪気もない。差別する意図もない。見えてる世界が違うだけなんだ。
私の周りにももちろんいます。女性差別の話をしてるのに「女性にはもちろんだけど、男への差別も良くないよね!」とか言っちゃう人。いや、今は女性差別の話をしているんだが?ほんと疲れる。


あるあるすぎる場面の連続で「わーかーるー!!!!」と膝パーカッションしてしまう一冊です。
訳もすごくいい。とくに「彼女」の口調が絶妙に今っぽい。


「フェミ怖いぃ〜」とかニヤニヤしてる男性にも読んでほしいけど、読んでもわかんないだろうね。
そういうとこやぞ。




アルテイシアの熟女入門 男と女、狂っているのはどっち?









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