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初めての入院と手術の話(長い) [眼とか食とか健康とか]

入院と手術の話。

書こうかどうしようか迷ったけど、同じ病気の方に必要な情報かもしれないので忘備録としてUPしておきます。



1年ほど前、去年のお正月あたりからずっと、いわゆるデリケートゾーンに痒みがありました。
でもまあ「夏は股間が痒くなるー」なんてCMあったり(冬だったけど)、フェミニーナ軟膏とか専用塗り薬もあるし、この場所の痒みなんてのは珍しくないのかな?乾燥とか、季節や年齢的なものかな?と、気にしつつも放置していたんですよ。

しかし7月くらいかな、痒みだけだった箇所に、なにやら「おでき」状の、小指の爪はんぶんくらいの大きさの突起ができたことに気づいて。
あーこりゃ病院だな、と近所の産婦人科に行きました。
その時点で「がんじゃないのか」と薄々思ったんですが。

病院でその突起部分の表面をとって検査に回したらしく、とりあえずのステロイド軟膏を処方されてその日はおしまい。
2週間後に検査結果を聞いたところ、「細胞に微妙な変異核があるので、精密検査した方がいい」と言われました。

で、地元で一番大きな総合病院であるK病院に予約を入れてもらい、紹介状を持って行ってきましたが、もう外来がめっっちゃ混んでて驚き。「今日の◯◯科の予約は150人」とか「本日の採血予約1500人」とか電光掲示板が光ってる…ここはコミケ会場か?壁サー??

その日は生体検査。
デリケートゾーンに麻酔して皮膚を切り取りました。痛そうですが痛いです。でも経験者のブログを読んだら「麻酔なしでいきなり切られた」なんて人もいたからな…

この検査結果でがん細胞が出て、病名つきました。
外陰がんです。
またレアなやつだな、よりによって。

予想はしていたので「あ、やっぱり」以上の感想が出てこない…
ショック!とかそういうのまったく無くて、逆に「ふつうはもっとガーン!とか思うもんじゃないの?私ってもしかして情緒がヤバい奴なのでは?」とか思ってしまった。
いやもっと驚けよ自分、って感じ。
目の病気を告げられた時のほうが100倍ショックだったわ。あの時は落ち込んだ(治療中。落ち着いてます)。



これは皮膚がんの一種なのですが、婦人科の範疇です。
皮膚には胃や子宮のように「ここからここまで」というはっきりした境界がないので、患部の特定が難しいそうで…さらに6箇所くらい生検(6本麻酔して皮膚を切った。いてーよ!)、CTスキャン、MRI、胸部と腹部のレントゲン、あれこれ。

MRIもCTも「予約が2ヶ月先」くらい過密スケジュールなんですが、丸一日病院に待機できるなら空き時間にねじ込みますと言われ…待ち時間6時間とかで検査してもらいました。

その結果、リンパへの転移はなし、他の部位からのがん細胞の検出もなし、最初に気になってた「おでき状」の箇所を切除するだけで済みそう…


これがもっと患部が広かったりすると、切除部分に皮膚移植が必要になるので産婦人科だけじゃなく外科の範疇になるそうです。
もう切除はできないくらいの進行した状態で初めて病院に来る人もいるそうですが、幸い最初に行った病院の判断が適切だったので(「痒み止めの塗り薬で終わりだった」って人の体験記が結構あった)、根治治療としての切除ができることになりました。

もっと進行して切除部分が尿道や肛門にかかっていたら人工肛門になることもあるので、早めの受診だいじです…




こんなに混み混みの大病院なのに、初めての診察の翌月にはもう手術の日が決まり、あれよというまに入院!手術!
直径1センチ強×2ヶ所の皮膚を全身麻酔で切除しました。

点滴麻酔だったので、あー眠くなってきた…と思ったら手術が終わっていて、そのままベッドに乗せられて部屋に移動。
真夜中にようやく手を伸ばせるようになったので、貴重品ボックスからiPhoneを取り出して「手術終わったよー」とLINEしたりして。


IMG_8504.jpg
点滴が無くなって血液が逆流したチューブ



手術が終わった翌日からすぐ普通食になり、立って歩いても全く痛みもありません。
痛みに耐えながら歩かなきゃならないイメージがあったんですが、あれ、こんな楽チンでいいのか??
ホントに切ったのか???とまで思ってしまった。
いや切った跡も縫った跡もあるけど、お腹じゃないからね。
すぐにシャワーの許可も出たし。
座った時に皮膚のつっぱり感がちょっとあるくらい。
手術は金曜日で、月曜の朝に「明日退院で」と告げられました。はっや。


IMG_8503.jpg
夫氏の差し入れ。明日退院なんだが…



切除した部分は病理検査に出し、その結果で今後の追加治療について決めましょうと。
大きめに切った部分の端の端までがん細胞があったら、放射線治療とか、抗がん剤とか…と言われていたのですが、検査結果は良好で追加治療もとりあえずなし、経過観察となりました。

ステージ1A期ですって。
今は定期的に組織を摂っての検査してる感じです。もう出なきゃいいけど…でもまだ例の「痒み」があるんだよなあ。
ちゃんと通院はしているので、あれこれ考えても仕方ない。出たらその時また治療ってことになるんでしょう。


なんか…体験記というほどの中味がなくてすみません…

半年以上も放置していたけど、ただの痒みだけなら最初の病院で生検までやらなかったかもしれないし、いろんなタイミングが運よかったんだと思います。
時期がずれていたらコロナが花盛りでまた状況は違っていたでしょう。




そうだ、気になる医療費ですが、私、数年前にそれまで入っていた医療保険を解約したんですよ。年齢的に保険料が上がるタイミングだったことと、職場で社会保険の計算などをやったことで「民間の医療保険、いらないんじゃね?」と思いまして。

今の日本の皆保険制度ってすごく手厚いので、医療費には上限があってそれ以上は免除、または一旦支払って後日返金されます。「自己負担限度額」制度ね。
入院手術までに数に余裕があれば事前に「健康保険限度額適用認定書」を申請し、入院時に提出しておけば立て替え払いすることもなく、限度額までの精算ですみます。限度額はその人の算定基礎によって違います。

算定基礎…つまり毎月の給与がどのラインかってことですが、サラリーマンだといつの間にか払わされている社会保険料や税金、もっとしっかりチェックしたいところですね。


私は限度額適用認定書を事前にもらっていたので、限度額の支払いで済みました。
が、入院したのが月末で退院したのが翌月だったので、入院日「1日分」が別計算になってしまい(月末締め!)、1日分が3割負担で2万近かったのが悔しい…
いや、だからといって「医療費節約したいので1日ずらしてください」なんて言える立場じゃありません。すみません。

そして2ヶ月後に健保組合から「親展」の書類が来たので何かと思ったら、なんと弊保健組合、限度額までしか払っていない医療費から「一部負担還元金」とやらで、さらに1ヶ月に同じ医療機関で支払った金額から、2万5千円を超えた差額を返金してくれました。
え。じゃあ入院手術の自己負担は結局2万5千円+1日分2万=4万5千円弱で済んだってこと??
1日ずれてたら2万5千円ポッキリ!!???

これはそれぞれの組合の独自の制度らしく、導入しているところも設定金額が一律じゃないみたいです。知らなかったー!

日本の健康保険制度、そして会社の社会保険、マジ神!!!
本当にありがたいです。


…とはいえ、皆保険の歴史なんてそう古くはありません。制度ができたのが1960年代だもの。当たり前じゃないんだよ。

今や日本が世界の誇れる最後の砦「国民皆保険」ですが、政権与党やぐいぐいと支持を伸ばしている某維新の会などが推しているベーシクインカムなどが導入されたら皆保険は無くならないまでも、自己負担が3割から8割になることも十分あり得ます。
そのうえ限度額適用がなくなったら、医療費100万が当たり前になっちゃう。

アメリカみたいにすべて民間の医療保険で賄わなきゃならなくなって、盲腸手術に400万請求され、保険会社に保険金の支払いを拒否されたり契約打ち切られたら全額自己負担で即自己破産、みたいな。
「支払いの保証がないなら治療しません、手術もしません。いくら払えるかによって治療の内容を決めます」なんて世界、私は嫌〜

マイケル・ムーアの「シッコ」を観て、堤未果さんの「沈みゆく大国アメリカ(逃げ切れ!日本の医療)」 を読んでね。読めばわかる!
みんな選挙に行ってくれ!!



民間の医療保険って「手術」にしかお金が出ないタイプなのであんまり役に立たない…前述の通り通常の健康保険で賄えるもの。むしろ退院後の追加治療とか、高価な薬を使う長期の治療にかかるお金の方が多いと思う。
病気になったらまとまった金額を一括でもらえる保険の方が役に立つけど、がん以外の病気でそんな医療保険あるのかな。どんな病気にかかるかなんてわかんないからね〜。





コロナで面会制限されている婦人科病棟、マジ快適でした。

診察にやってくる医師以外、ほぼ女性のみ。
シャワー時間はフリーだし、ドライヤーあちこちに置いてあるし、乾燥室に下着干せるし、男がいないってなんてストレスフリー!
wi-fiもあるしね!


看護師さんたち、毎日世間話を振ってくれたりして感情労働がすごいです。
ありがとうございました…
ベッドで「魔道祖師 4巻」を読んでる患者でスミマセン…





とにかく世の女子に「股間の痒みはフェミニーナ軟膏で誤魔化すな」ということは言っておきたいと思います。
たかが痒みとはいえ、塗り薬でやり過ごしてるうちに悪化しちゃうかもしれません。あれ?と思ったら病院行こうね。組織とって検査してください!って言おうね。



入院中に、ずっとファンだった同世代の同人作家さんの訃報を知って驚いちゃったな。
いつなにがあるかなんてわからないんだなあ〜

ウクライナで戦争始まっちゃったし、新型コロナの終息は遠いし、やりたいことは先延ばしにせずやっとこう…と思っています…




人生はジェットコースター~外陰がん闘病録

落ち込まない中年女のホントの日々











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